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[2020/05/17]


 1820年5月17日――
 港町3356を攻めたイ・ラプセル軍自由騎士団は交戦の末に撤退する。
 元より偵察の意味が強い侵攻だったため彼らの撤退速度も速く、両軍ともに大きな被害もなく海戦は終了する。
 
 パノプティコン軍はシャンバラのネクロマンサーやヘルメリアの蒸気騎士のような国特有の兵装は存在しなかった。だが―― 
「王族1734はインディオの魔術を使っていたな」
「見た目からして、インディオ出身なのは間違い。なぜパノプティコンに与しているかはわからないが……」
 王族1734。そう呼ばれる者はイ・ラプセルの術式にはない魔術を使っていたという。『何か』を呼び出し攻撃させたり、味方に付与を与えたと報告が上がってきていた。インディオの『祈祷』と呼ばれるモノだろうか? 救いがあるとすれば、彼女以外のパノプティコン兵がそれを使った様子はないことだ。
 更には――
「ノスフェラトゥ――不死者と呼ばれる種族がいた」
 布で空を飛ぶ青い肌の種族。そう呼ばれた大陸北部の希少種族。それがパノプティコンに兵として存在していたのだ。その噂に違わず頑丈で、深手を負わせても立ち上がってきたと言う。
「ヴィスマルクもパノプティコンの領土を奪い取っています。おそらくは……」
「そうだな。彼らがヴィスマルクにもいると見た方がいいだろう」
 そして軍事国家ヴィスマルクがそのような有用な人材を捕らえていないはずがない。盾として有用に使うだろう。
 イ・ラプセルに存在しない術と亜人。確かに驚いたが、本当の衝撃はこの後にあった。

「あとは兵の動きか。……ぞっとするぜ」
「一言も喋らずに、合わせたように、動いてました」
 交戦した自由騎士達の話によると、パノプティコン兵は一糸乱れぬ連携を行っていたという。練度、という問題ではない。どれだけ訓練を積んでも、個人の肉体や感覚の差でズレは生まれる。だがそのズレすらなく、目線や符牒などの合図もなく動いていたという。
 そしてその連携は自由騎士達をチェスのように追い詰め、確実に傷つけていった。推測だが、それがパノプティコンの神、アイドーネウスの権能だろう。互いが互いを管理しあい、管理者の元に動く。管理国家と呼ばれる国の強みはそこにある。

 そして最大の情報。それはデウスギア『国民管理機構』の一端を知れたことだ。一定時間後にその効果が発動したという。曰く――
「後はあのデウスギア……多分未来に関することなんだろうけど、あのまま戦ってたら危なかった」
「ん……すごく『ざわざわ』した……」
 未来を見る瞳を持つ者達が異常を感じ、デウスギアの効果を受けた王族達に攻撃が当たらなくなったという。詳細は不明だが、水鏡階差演算装置とは異なる未来に関する効果を持つと推測される。
 詳細な効果を知るにはより深い検証が必要だが、それを行っていれば捕らわれていた可能性がある。それを考慮すれば悪くないタイミングでの撤退だったと言えよう。

 ともあれ、パノプティコンに関する情報は得れた。
 ノスフェラトゥ。インディオ。権能。そしてデウスギア。
 ここから、監獄国家をどう攻略する――?

【関連依頼】
『Measurement! 推し量れ相手の強さ!』(どくどくST)



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王族1734 (VC:熊虎たつみ

[2020/05/15]

●神書
 まず前提として、神アマノホカリはすでに消滅したはずの神である。
 記された歴史によれば、神暦300年頃、かの神は虚無に消えたとされる。
 そう、消えたはずなのだ。だが――、

 神アクアディーネが開けた神書には、達者な筆文字でこう書かれていた。


 ――日いずる処の国の神より、水満つる国の神へ、この書を贈る。

 いつかどこかで、
 かつてあなたと、
 余は言葉を交わしたことがあっただろうか。

 嗚呼、
 この身は虚無の果てより還りたるも、
 しかし還ることなく喪われたものは思いのほか大きく、

 余はあなたの顔も知らず、
 余はあなたの声も覚えていない。

 もしかしたら、かつて余と話したことがあるかもしれないあなた。
 蒼き神。水の主。自由を尊ぶ儚き娘よ。
 余はこれより、あなたに自らの恥を晒し、あなたの恩情に縋ろうとしている。

 それがどれほどの恥知らずか、きっと余は知っている。
 されど我が身の恥など、余の愛する国の亡びに比べれば、如何程のことがあろう。

 単刀直入に告げよう。
 余の愛する天野穂刈ノ国が鉄血の夷狄共に凌辱されようとしている。

 かの夷狄共は我が国に眠る資源と我が国独自の技術を狙い、鉄の船で現れた。
 そしてあろうことか、国を守るべき宇羅幕府がこれに味方をしたのだ。

 彼奴らは自らを「改国派」と称し、夷狄共の犬に成り下がった。
 余を奉ずる天津朝廷はそれに抗い「浄夷派」を結ぶも、
 国の武を司る宇羅朝廷の前には力足りず、余が再臨する事態と相成った。

 今や愛する天野穂刈ノ国は二つに割れ、相争う始末。
 そして、夷狄共によって遠からず「浄夷派」は除かれることとなるであろう。

 故に、余はあなたにこうべを垂れ、乞い願おう。
 あなたが余を憐れむならば、あなたの力を貸してほしい。
 あなたが余を見捨てぬならば、あなたの国に助けてほしい。

 対価は払おう。何でもしよう。
 我が国が我が国のままで在れるのならば、どこまででも協力しよう。

 言葉を交わすこともなく、
 力をもって我が国を征さんとする夷狄共を除けるのであれば。

 これなるは神たる身、天野穂刈が発する真実の宣言たるをここに誓う。
 どうか、余に力を貸してほしい。
                 』

 今まさに新たな道行きを定めんとしているイ・ラプセルにとっても、
 それはまさに寝耳に水としか言いようのない事態であった。

 だがこれを放置すれば、アマノホカリはヴィスマルクに征服され、
 かの国が有する資源や独自技術によって鉄血の国はさらに強大になるだろう。

 果たして今のイ・ラプセルはそれを看過できるのか。
 いや、できないだろう。
 二年前に起きた最初の戦いから、鉄血の国との因縁は続いている。

 あの戦いで神を殺したその日、かの国との決着は避けて通れぬ道となった。
 これからイ・ラプセルがどの道を進もうとも、
 それに関わりなく鉄血の国は壁として行く手を塞いでくるに違いない。
 因縁の二国が、遥か東の国を舞台としてここに再び相まみえようとしていた。

⇒【極東航路】かの地、東の島国へ1



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???

1820年、世界は動乱の坩堝となる――

[2020/05/10]


 1820年、イ・ラプセルがヘルメリア島を平定。
 ヘルメリアの主戦力ともいえる歯車騎士団の多くはイ・ラプセルに帰属。ヘルメスにより機械と融合した国民を救うために従事することとなった。 
 また、ヘルメリアの対ヴィスマルク防衛戦『マジノライン』に属していた歯車騎士団とプロメテウス/ドゥームはそのままイ・ラプセルに投降。国家防衛戦維持の為に、そのまま軍事任務に就くこととなる。
 結果として、領土こそ増えたがそのほとんどが領土維持及び戦後復興に当てられることとなる。これはヘルメリア戦の傷痕を考えるとむしろありがたく、イ・ラプセルは次の戦いへと目を向けることなった。
 神の蟲毒。この大陸の五柱の神による戦い。
 イ・ラプセル――アクアディーネ。
 シャンバラ――ミトラース。
 ヘルメリア――ヘルメス。
 パノプティコン――アイドーネウス。
 ヴィスマルク――■■■■。
 これらのうち、ミトラースとヘルメスは既に倒され、その権能はアクアディーネが受け継いだ。残る神はアクアディーネを含んで三柱。そしてそれらを要する三国。
 圧倒的な軍事力を誇る鉄血帝国ヴィスマルク。
 徹底的国民管理を行う監獄国家パノプティコン。
 そして自由騎士達が所属する我らがイ・ラプセル。
 本来なら長い年月をかけて二国を攻略するのが妥当だろう。しかしイ・ラプセルにはその時間が残されていなかった。
 滅んだ国々。死の世界。生命の途絶えた虚無の海。生きとし生けるもの全てが途絶え、息吹きの感じられない乾いた風が吹きすさぶ大地。音もなく熱もなく、魂すらない終わりの未来。未来を識ることのできるアクアディーネが見た未来まで、あと一年。
 それを回避する術は、神の蟲毒の勝利のみ。故に足踏みしている余裕はない。この一年が最後の猶予なのだ。

 イ・ラプセルは急ぎ次の戦いへの行動を始めるのであった。
 その行動とは――


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そして――最後の一年が始まる。

[2020/05/01]

 二年前のこの日、立ち上げられた自由騎士団は数々の戦績をあげた。
 弱小国家であったイ・ラプセルは、彼らによってシャンバラとヘルメリアの神殺しを果たす。
 残す国はヴィスマルクとパノプティコン。そしてイ・ラプセルの三国だ。

 イ・ラプセルの女神アクアディーネは神殿で祈る。
 「神」である自分が何に祈るのだろうか。
 それは何度もここで祈り、問いかけつづけたそれ。
 自分は「神」だ。そう位置づけられたそれ。けれど――。
 もし自分が■■■■のように振る舞えたら。アイドーネウスのように管理ができるのであれば。
 自分に与えられた権能は浄化とそして水鏡での未来予測。
 予測など介入すれば変わる程度の精度だ。戦う力があれば。
 たらればで思うことはいくつもある。

「やあ、■■■、今日は自由騎士団の発足日だろ? そんな顔していていいのかい」
 背後から声がする。振り向かなくてもわかる。アレイスター・クローリーだ。
「貴方はいつも私の名をお父様(おかあさま)がつけた名前で呼ぶのですね」
「そりゃあ、僕ぁ彼(かのじょ)のたったひとりの■■■■■■」だからね。彼(かのじょ)に準じるさ!」
「貴方はお父様(おかあさま)を憎んでいるくせに」
「はは! ■■■は本当にかわいいなあ。ほら、そんな顔自由騎士にみせれないよ!
 それにしても、エドワード王の自由騎士はよくやってくれているよね。
 僕ぁ最初に潰れるのは君だとおもってたけど。
 キセキのちから。あれはすごいね。どこから生まれたのか。
 一度や二度じゃない。何度も何度も彼らはキセキを起こした。
 それを行えるのは「君の色をもつオラクル」だけだ。君はすごいね。
 かれらのポテンシャルを最大にたかめたんだ!!!! ブラボー」
「命を代価にしたキセキ。それを私が喜ぶとでも?」
「そうそう、その顔、見たくて煽っただけ」
「私は、貴方のことが大嫌いです」
「おいおい、仮にも「神」がそんなこといっていいのかい? 慈愛に満ちて、全てを愛さなくてもいいのかい?」
「私は神■■■でしかありません」
「おいおい、自虐かい? そりゃあよくない」
「貴方は神■■■のコードネームで私の名を呼ぶではないですか」
「ここまで嫌がるのは君と■■■■くらいだからね。小さい男の子がかわいい女の子をイジメる感情とでも言おうか? でもあっちは気軽に首を落としてくるから困る。僕の頭をボールかなにかとおもってんだぜ」
「貴方に少年の心などないでしょう?」
「「神」にヒトの心などないだろう?」
 アクアディーネとクローリーの視線が絡み合う。先に目をそらしたのはアクアディーネだ。
「帰ってください。私は皆さんに言葉をかける義務があります」
「はいはい。そんなに怒るなよ。悪かったって。
 でもイ・ラプセルではお祭りだろ? 王様の誕生日のお祝いも兼ねて。お祭りを楽しんでいってもいいだろう?」 
 アレイスターの言葉にアクアディーネは頷く。神の慈愛の笑顔でもって。
 ぱちぱちぱちとクローリーは手を叩く。
「よくできた「神」様だね」
 その皮肉にアクアディーネは答えない。


「皆さん、自由騎士の発足2年目おめでとうございます」
 女神の微笑みでもって、エドワードにエスコートされたアクアディーネが祝の言葉を紡ぐ。
「これからも――神の蠱毒を勝ち抜くために。みなさまの頑張りを期待しています」

 まったく。■■■は誂うと楽しい。打てば響くとはまさにこれを表すのだろう。クローリーが楽しそうにくつくつと笑った。
 王城の中、居るべきではない人物がそこにいたことに気づいた自由騎士の一人が、彼に話しかける。
  「ん? やあやあ、自由騎士。発足二周年おめでとう! 僕がなんでここにいるかって?
 僕ぁどこにでもいて、どこにもいない。
 そんなことはしっているだろう? 
 のこり1年、僕に聞きたいことはいろいろあるだろう? たまには答えてやるぜ!
 まあそれが本当であるかは、保証しないけどね!」


◆1周年イベントシナリオ
『そして、最後の一年が始まる。』(たぢまよしかづST)

アレイスター・クローリーへの質問(5月8日23時59分まで)

アトリエキャンペーン(5月31日23時59分まで)
新規入団キャンペーン(5月31日23時59分まで)

エドワード・イ・ラプセル (VC:景山黒兎
アクアディーネ (VC:ミカドキスケ
背景(VC:白夜ゆう

キ・ラ・シ・ク・イ・リ・セ・ナ・ト!

[2020/04/30]

『キ・ラ・シ・ク・イ・リ・セ・ナ・ト! キ・ラ・シ・ク・イ・リ・セ・ナ・ト!』
『キ・ラ・シ・ク・イ・リ・セ・ナ・ト! キ・ラ・シ・ク・イ・リ・セ・ナ・ト!』

 パノプティコンの国民はアイドーネウスに管理される。
 神を称え、労働に奉仕し、そしてパノプティコンと言う世界を回す。人々は神によって与えられた仕事をこなし、その如何によって更なる仕事を与えられるか、別の仕事をあてられるかする。
 あるものは地位が上がり、ある者は下がる。その判断基準がぶれることはなく、同時に間違う事もない。神の管理は完璧だ。信賞必罰。功績のある者には報い、罰すべき者は罰する。アイドーネウスの管理は1800年間変わることはない。

『キ・ラ・シ・ク・イ・リ・セ・ナ・ト! キ・ラ・シ・ク・イ・リ・セ・ナ・ト!』
『キ・ラ・シ・ク・イ・リ・セ・ナ・ト! キ・ラ・シ・ク・イ・リ・セ・ナ・ト!』

 ある者は、既定の仕事を予定より早く終わらせた事により評価が上がる。
 ある者は、仕事の範疇内で他者を助けたために管理を任される。
 ある者は、強い独創性を見せたためその技術を生かせる仕事に割り当てられる。

『キ・ラ・シ・ク・イ・リ・セ・ナ・ト! キ・ラ・シ・ク・イ・リ・セ・ナ・ト!』
『キ・ラ・シ・ク・イ・リ・セ・ナ・ト! キ・ラ・シ・ク・イ・リ・セ・ナ・ト!』

 ある者は、予定より3分多く仕事を休んだために仕事が追加される。
 ある者は、他人に仕事を押し付けたために肉体的な負荷を押し付けられる。
 ある者は、壁を傷つけたため同じ大きさの傷を身体に刻まれる。

『キ・ラ・シ・ク・イ・リ・セ・ナ・ト! キ・ラ・シ・ク・イ・リ・セ・ナ・ト!』
『キ・ラ・シ・ク・イ・リ・セ・ナ・ト! キ・ラ・シ・ク・イ・リ・セ・ナ・ト!』

 嗚呼、アイドーネウスの管理は万全にして完璧。
 神の管理下にある限り不正はない。アイドーネウス様に従う限り、間違いはない。罪はない。悪もない。傷つくこともない。人の管理はなしえない理想の管理国家。それがパノプティコン。
 完璧なる管理故に、市民は安全を保っている。他国が恐れるイブリースさえも、蒸気ドローンで早期に発見し、管理された兵たちが迅速に駆けつけ、即座に処分される。不幸にも巻き込まれた者への補償も怠らない。
 アイドーネウス様万歳! 国民管理機構万歳! 神よ我らを助け給え!

『キ・ラ・シ・ク・イ・リ・セ・ナ・ト! キ・ラ・シ・ク・イ・リ・セ・ナ・ト!』
『キ・ラ・シ・ク・イ・リ・セ・ナ・ト! キ・ラ・シ・ク・イ・リ・セ・ナ・ト!』

 パノプティコン首都、『地域1115』。
 その地域には巨大な塔が設立されていた。塔以外何もなく、そこに住む国民は全て塔の中で生活をしている。その最上階、神と王が住む場所に一人の男がいた。
「…………ふぅむ、断られましたか。致し方ありませんな」
『王族1687』はイ・ラプセルからの返事を確認し、嘆息する。彼の頭の中で描く『最良』のシナリオはこれで瓦解してしまった。
「戦争などしたくないのですが、あちらが神の蟲毒を重視されるのでしたら致し方なきこと。平和的締結を拒んだ以上、こちらも些か暴力的にならざるを得ません。
 穴熊戦略はしばし中断しましょう。幸か不幸か、『王族1734』は拒まれたわけですしな。両国を相手取るのは面倒ですが、これも我が国が生き残るため。我が国ならではの手練手管をお見せするとしましょうか」
 その数日後、パノプティコン側からイ・ラプセルに対して正式な宣戦布告宣言が行われる。『共に神を奉じる国家同士、互いの神に恥じぬ戦いをしましょう』という文面だ。

 ――かくして、ヴィスマルク、パノプティコン、そしてイ・ラプセルの三国が事実上の交戦状態となる。
 今はまだ世界に大きな動きはないが、誰もが時代のうねりを感じ始めていた。

アイドーネウス(VC:ひゅの

どうする? パノプティコンとの和平

[2020/04/20]


「先ずは魔剣士の力の報告だ。クラ―マー卿の尽力もあって、無事に使用できる形となった。些か破滅的な部分もあるので使用には注意が必要だが、諸君らならうまくやってくれると信じている」
 クラウス・フォン・プラテス(nCL3000003)が報告したのは、先の会議で決議された『魔剣士』の力についてだ。様々な意見が飛び交い、中にはその力を危険視する意見も見られたが結果として自由騎士の力となる。
 もっとも、安い買い物ではなかったのも事実だ。失われかけた技術の復興と、それを学びやすくするためには相応のリソースが必要となる。この力が今後の戦いにどう影響するか。それは自由騎士達次第と言った所だろう。
「さて、諸君らに声をかけたのは他でもない。先のパノプティコン国王『王族1867』の話をどうするかだ。
 簡易に話を纏めるとパノプティコン側の要求は『ヴィスマルクへの牽制。望むなら共闘』と言った所だ。それに際しパノプティコンは『軍事力の提供』『港町3356(大きな港町)の周辺を領土として譲渡』『王族1734とエドワード国王の婚姻』を提示できるという」
 言葉が自由騎士達に聞き届くだけの間をおいて、クラウスは続ける。
「最初の条件は単純な軍事支援。今後の戦いにあって損はないものだ。神の蟲毒を続けるのに重要なファクターと言えよう。
 二つ目は我が国の生産力が上がると同時に、パノプティコン領土に何かしらのアプローチが仕掛けられる、もしくは仕掛けられる可能性がある。良くも悪くもパノプティコンと接する機会が増えるという事だな。未確認情報だが、インディオと呼ばれる反抗勢力も存在する。パノプティコンと同盟を結ぶ以上、新しく得た領土周辺で彼らと敵対することもあるだろう。
 三つめはパノプティコン王族の人質、及び王族1734からの情報収集が可能だ。最も、国王はこの婚姻を人道的かつ政治的な理由から拒んでおられる。然もありなん、亜人解放がエドワード国王の政策である以上、政治的な利で他者の束縛はできない。
 いずれにせよ神の蟲毒の為にいずれは戦わねばならぬ相手だ。それはパノプティコン側も分かっているのだろう。その上での提案とはあの御仁かなりの……いや、話がそれたか」
 咳払いをして話を戻すクラウス。
「パノプティコンは蒸気ドローンなどを使うことでヴィスマルクの情報を得ている。共闘戦線を張ればそれら情報を渡してもらうことで対ヴィスマルク戦で水鏡の精度を上げることが出来るだろう。状況次第ではパノプティコン側から援軍が来ることもある。さすがに海を隔ててる以上、地理の面から大軍を送るのは容易ではないだろうが。
 ただし逆もまた然りだ。同盟を結んだ以上は明確な監視はないだろうが、それでも彼らに動向を調べられる可能性はあるだろう。彼らの国家の在り方を見た諸君らなら、想像に難くはないはずだ。
 無論、全てを受け入れる必要はない。だが国同士の条約である以上、一部だろうと受諾すれば何かしらの責務が発生するだろう。そしてそれは戦争の矢面に立つ諸君らに圧し掛かることになる。
 とはいえ、重く考えすぎないでほしい。政治的な責務は我々上の者が背負う。だが実際に戦ってもらう諸君らに余計な負担は与えない」
 それが宰相の戦いだ。クラウスはそう無言で告げる。自由騎士達に負担はかけない。これまで通り、戦ってくれればいい。ただその道をどうするかを選んでほしいということだ。――メタな事を言うと、シナリオルート分岐である。
「思うがままに選んでほしい。それでは」
 今後のイ・ラプセルの道を決める投票。どれに投票してもいいし、投票しなくてもいい。
 貴方の選択は――

1:『軍事力の提供(軍事力+500)』『港町3356の周辺を領土として譲渡(生産力+150)』を受け入れ、ヴィスマルクへの共同戦線を張る。
 メリット:軍事力、生産力の上昇。パノプティコン側からの情報提供(対ヴィスマルク戦で水鏡からの情報精度が上昇。パノプティコン側の援軍も状況によっては存在します)。
 デメリット:次の投票でパノプティコンを攻める選択が出来なくなります。またパノプティコンがヴィスマルクに攻められた際は援軍要請に従う必要があります。パノプティコンの反抗勢力、インディオと敵対することになります。

2:一部受諾その一『軍事力の提供(軍事力+500)』のみ受諾。ヴィスマルクへの牽制を行う。
 メリット:軍事力の上昇。
 デメリット:ヴィスマルクから侵攻される可能性が増えます。具体的にはそういったシナリオが増えます。パノプティコンの反抗勢力、インディオと敵対することになります。

3:一部受諾その二『港町3356の周辺を領土として譲渡(生産力+150)』のみ受諾。ヴィスマルクへの牽制を行う。
 メリット:生産力の上昇。
 デメリット:ヴィスマルクから侵攻される可能性が増えます。具体的にはそういったシナリオが増えます。パノプティコンの反抗勢力、インディオと敵対することになります。

4:完全拒否。現状を維持し、フットワークを維持する。
 メリット:なし
 デメリット:なし

5:貰うモノを貰って、なにもしない。『軍事力の提供(軍事力+500)』『港町3356の周辺を領土として譲渡(生産力+150)』を受け入れ、ヴィスマルクと戦わない。
 メリット:軍事力、生産力の上昇。
 デメリット:パノプティコンからの怒りを買います。同時に国家として歴史的な傷を負うことになります。

⇒討論掲示板
⇒パノプティコンとの和平についてのアンケート(4月29日23:59まで)

※魔剣士スタイルが実装されました。
⇒バトルスタイルチェンジはこちら

クラウス・フォン・プラテス (VC:やむむ

亡命

[2020/04/15]


「で? あなたは何をこのヴィスマルクにできるのかしら?」
 ヴィスマルク皇后の冷たい声が、謁見の間に響く。
 ヴィスマルク5世は王座に座り、肘をついて状況を眺めている。
「キチキチキチ、新型のプロメテウスを作ったのは僕ちゃんだぜぇ」
 拘束服を着せられたウィリアム・ギブソンは答える。
 ヘルメリア技術廠、セヴァリの火の機関長であったその男は不自然なほどにいつもどおりだ。
「その笑い声、不愉快ね」
 皇后の爪が鋭く伸びる。
「まったまった!! まじで待って!! せっかく僕が拾ってきたんだぜ? もうちょっと手心だとかさ!」
 慌てて、道化師――アレイスター・クローリーが間に入って皇后をたしなめる。
「あなたが拾ってきたからこそ、不愉快だから殺そうとおもっただけだけれど」
「……お前は下がれ、で、その技術をこのヴィスマルクに齎す、その代わりに亡命を許可しろというのだな?」
 今にもウィリアムを殺害せんとする皇后を皇帝は手をふることで止める。
「キチキチキチ。もっちろん、ろんもち~~~~~~
 なんなら、それがしを今すぐヴィスマルクの色に染めてもいいのぜ!」
 ウィリアムは不気味に笑う。
「ウィリアム君もさあ~そのキャラなんとかならないのかな~~~~?
 まあいいや、君等だって、プロメテウスには困らされていただろう? それがまるまる手に入るんだぜ?
 「あっち」はパノプティコンとの会合があったらしいよ。まあ、どうするかはまだ決めかねてるみたいだけどね」
 クローリーの言葉に皇帝と皇后は顔を見合わせてうなずく。
 瞬間ウィリアムの拘束された体に雷撃のようなものが落とされ、彼は跳ね回った。
「キャヒヒヒヒヒ、キチキチ、この国の洗礼ってこんなに痛いのかよ~~~~~~ショック~~~~~~~~~~」
 魂が鉄血の国の理に書き換えられ侵食される感覚にウィリアムが悲鳴をあげる。
「いや、普通に痛くない洗礼のはずだけど、■■■■、ほんと君等意地悪だね」
 呆れた顔でクローリーがつぶやいた。
「普通なら断首の不敬を許したのだから私は慈悲深いと思うわ」
「で、ヴィスマルクでもセヴァリの火機関を創設、機関長は彼でかまわないよね」
「ああ、それでかまわん。蒸気騎士の技術も絞り出しておけ」
 再雇用を果たしたウィリアムは床で未だのたうち回りながら、プロメテウスの新作の構想を練るのであった。
 
 ヴィスマルクでプロメテウスの開発が始まりました。
 ヴィスマルクに蒸気騎士のバトルスタイルが実装されました。

ヴィスマルク5世(VC: 神崎恭一
ヴィスマルク皇后(未登録VC: H8K2)
ウィリアム・ギブソン(VC: 誤侍郎

王の呟き

[2020/04/12]


 イ・ラプセルとの会談を終えた王族1687は通商連の船で帰国していた。同盟条約がいきなり締結するとは思っていない。イ・ラプセル内で会議し、そして方針が決められるはずだ。
「まあ、問答無用で却下される可能性もありますがな。いやはや、水の国の方々は手厳しい」
 三つ用意した提案のうちの一つはエドワード国王自身によって拒否された。事実上の人質を渡すと言っているのを断るのは、人道ゆえかあるいは婚姻自体に何かしらの想いがあるのか。
「亜人奴隷解放という大胆な発想をすると思われたのに、そういった面では慎重とは。ああいう方なら国の為に個人の想いなど切って捨てると思っていたのですが……吾輩も見立てが甘い。
 しかし第一と第二に関しては、それなりに食らいついてきた模様で」
 軍事資金の援助と港町の解放。これらは単純な国力増加だ。この時代において断る理由はないはずだ。逆に言えばそれだけの『恩』を受ければイ・ラプセルもパノプティコンに『義理』が発生する。
「上手くいくかは五分五分と言った所ですか。神の蟲毒を争う仲とはいえ、ヴィスマルクは厄介な相手。利に聡ければ食らいつく、と思いたい所です。或いはイ・ラプセル本国を攻めたヴィスマルクに恨み骨髄、と言った激情でも」
 王族1687は机の上に置いてある海図を見る。イ・ラプセルがシャンバラとヘルメリアを統治し、ヴィスマルク、パノプティコンの三国状態となった。神の蟲毒もここからが大詰めだ。
「純粋な兵力総合ではヴィスマルク。防衛力と人民管理では我がパノプティコン。そして急成長し、多くの可能性を含んだイ・ラプセル。この拮抗状態を抜け出すのは……やはりデウスギアですか。
 ともすればやはり我が国とイ・ラプセルが国交を結び、ヴィスマルクを攻めるのがまだ楽な道。デウスギア同士の相乗効果が合わされば『大陸弾道砲』を撃たれるより前に行動できますからな」
 ため息をついて一拍置き、まるで聞かれていることを意識するような声で王族1687は呟く。

「方向性こそ違えど、共に未来情報が会得可能なデウスギア同士。上手く共存できるとよろしいのですが」


 ⇒嘘つきバニーSS付ピンナップ
 ⇒背景発注
 ⇒フレーム発注

⇒戦闘訓練所へ
⇒戦闘訓練所不具合・感想報告スレッドへ(2020年4月13日23時59分迄)

※「報告」「感想」に協力頂いた自由騎士の皆さんに特別なアクセサリー(HP+100)とリアクターギア(物攻+7 魔攻+7)をプレゼントします。(2020年4月13日23時59分迄)

王族1687 (VC:つとう

ヘルメリアの人達は

[2020/04/07]


「今更だけど、ヘルメスを倒してくれてありがとう。ヘルメリアを最悪の状態から解放してくれて、元ヘルメリア人として感謝するわ」
 ヘルメリア出身のメアリー・シェリー(nCL3000066)は告げる。――今の肩書はイ・ラプセル軍ヘルメリア島復興支援係になっていた。
「早速だけど報告よ。ロンディアナ内で機械に融合させられた国民の確認は終わったわ。
 当たり前だけど、ヘルメスを倒してデウスギア『人機融合装置』を無力化しても、キジン化したヒト達や幻想種は元には戻らなかった」
 如何に女神の力とはいえ、すでに起こってしまったことは変えられない。未来を見る水鏡とて、過去の事に干渉はできないのだ。
「なので次善策。カタクラフト及び私の人形技術で肉体の代替を施すわ。これで日常生活は送れるようになる。
 ノウブル以外の種族は権能で延命できるわ。『兵站軍』や巻き込まれた亜人達。あと『融合種』も問題ないわ。元歯車騎士団のオラクルたちもアクアディーネの洗礼をうけて、メンテナンスに従事してくれるわ」
 メアリーを陣頭に、多くのオラクルがメンテナンスに参加してくれるそうだ。これで人機融合装置に巻き込まれた人達は、概ね無事になったと言えよう。
「そういえばどこかの王様が来てたり、魔法的な技術をどうこうしたりするんだって? 専門外だからよくわからないけど、興味があるなら覗いてみたら? 神の蟲毒とかを乗り切るんなら、手段は選んでられないんじゃない?
 ばにー? うそをつくとみみがはえる? ……魔法文化ってよくわからないけど、大変なのね」


⇒『魔剣士』取得についての投票(2020年4月10日23時59分迄)
⇒パノプティコン『王族1687 』への質問スレッド(2020年4月7日23時59分迄)
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⇒戦闘訓練所へ
⇒戦闘訓練所不具合・感想報告スレッドへ(2020年4月13日23時59分迄)

※「報告」「感想」に協力頂いた自由騎士の皆さんに特別なアクセサリー(HP+100)とリアクターギア(物攻+7 魔攻+7)をプレゼントします。(2020年4月13日23時59分迄)

メアリー・シェリー(VC:suyari
背景(VC:真田祐樹

●遺産、あるいは遺物、もしくは残滓。だが力

[2020/04/04]

「解析が終了した」
 集められた自由騎士を前に、ジョセフ・クラーマーはまずそう告げた。
「黒騎士共のアジトに残されていた資料から、『魔剣士』の全容を解明することができた。奴らが使った技の術理、それを体得するための鍛錬法も含めて、だ」
 自由騎士達の間にざわめきが起きる。
 ジョセフが今言った内容、それはすなわち、自由騎士もまた魔剣士になれるということ。
「ただし――」
 だが、自由騎士達が鎮まる前に、ジョセフが告げる。
「鍛錬法は解明されたが、すぐに行えるワケではない。むしろ、これまでになかったものである以上、その体得には特殊な鍛錬が必要とされる」
 彼の言葉は、ある意味で当然のものだった。
「また、その鍛錬法を行なうための設備も新たに立てる必要がある。これには費用、人員、いずれもそれなりに必要となるだろう――、その上で皆に問う」
 静まり返る自由騎士達へ、元大司教は単刀直入に尋ねた。
「このシャンバラ最後の遺産に、汝らは幾らの値をつけるかね?」


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ジョセフ・クラーマー(VC:

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