MagiaSteam
Geyser! 皆、大事な話がある……温泉会だ!



●大型戦闘の後は温泉と言う謎のPBWのしきたりに従っただけであって、どくどくが温泉を書きたかったわけではないんだよ。やー、しきたりだからしかたないわー。しきたりこわいわー
 ヘルメリアの様々な場所を『喰らい』取り入れてきたロンディアナ。今はその活動を止め、沈黙しているがヘルメリアの様々な場所を吸収していることもあり、混沌としていた。端的に言えば、ヘルメリアの文化を圧縮して詰め込まれた状態になっている。いろいろ探索は必要だろう。
 そんなロンディアナで、突如爆発が起きる。何事と思って見に行ったものは、噴出する温水とお湯でできた泉を発見した。蒸気配管か何かが割れたのだろう。一度熱したお湯は清潔そのもので、危険性はないと判断された。
 いわば人工的な間欠泉。大元のバルブを閉じれば止まるのだが――
「Relax! これぞ天恵、久しぶりのサウナと行こうではないか!」
 そしてどこかの天才だか馬鹿だかよくわからないマザリモノのおかげでそこは改造され、温泉とサウナになってしまった。なお、こっそり取り付けられていた自爆装置は早々に除去されたという。

 そんな経緯で創られた人工間欠泉の施設。そこは戦いや労働に疲れたヘルメリア民や自由騎士達の娯楽の場となっていた。
 まだ問題は山済みだが、日々の疲れをいやすために行くのはいいのではないだろうか?

 まあ、あれだ。温泉会なんだから細かい事や理由はどうでもいいんだよ!


†シナリオ詳細†
シナリオタイプ
イベントシナリオ
シナリオカテゴリー
日常σ
担当ST
どくどく
■成功条件
1.温泉とかサウナとかでのんびりまったりする
 どくどくです。
 温泉会が書きたかったんだよ!(謎の逆切れ

●説明!
 温泉! 説明不要!

・温泉
 蒸気配管から洩れたお湯で作られた温泉です。施設は全部人工物ですが、観葉植物やお香などそれなりの雰囲気を出しています。
 混浴。水着着用必須です。

・サウナ
 蒸気配管から漏れた蒸気を使ったサウナです。施設は全部人工物ですが、観葉植物やお香などそれなりの雰囲気を出しています。
 男女共用。水着着用必須です。

・ロビー
 ロビーです。ゆったりまったりスペース。椅子に座って歓談したり、食堂で飲食しながら楽しんだり。

●NPC
 NPCは絡まれないと基本空気です。絡む場合、IDなどは不要です。誘われればその場所に行くでしょう。

サイラス・オーニッツ(nCL3000012)
医者です。湯上りの人達に、マッサージをしています。
鍼とか始めたらしく、痛そうな道具をマントの下に隠しています。

アミナ・ミゼット(nCL3000051)
褐色南国娘です。おっぱい。かなり際どい水着を着て、サウナで温まってます。

ジョン・コーリナー(nCL3000046)
蒸気国の紳士です。ロビーでまったりとしています。

レティーナ・フォルゲン(nCL3000063)
ジョンの付き人とか助手のネズミケモノビトです。初めての温泉に驚いています。

ニコラ・ウィンゲート(nCL3000065)
ノームのマザリモノです。サウナで次の発明の抗争に耽っています。

メアリー・シェリー(nCL3000066)
白衣の少女です。食堂でコーヒーを飲みながら休憩しています。

●イベントシナリオのルール
・参加料金は50LPです。
・予約期間はありません。参加ボタンを押した時点で参加が確定します。
・獲得リソースは通常依頼難易度普通の33%です。
・特定の誰かと行動をしたい場合は『エドワード・イ・ラプセル(nCL2000002)』といった風にIDと名前を全て表記するようにして下さい。又、グループでの参加の場合、参加者全員が【グループ名】という タグをプレイングに記載する事で個別のフルネームをIDつきで書く必要がなくなります。
・NPCの場合も同様となりますがIDとフルネームは必要なく、名前のみでOKです。
・イベントシナリオでは参加キャラクター全員の描写が行なわれない可能性があります。
・内容を絞ったほうが良い描写が行われる可能性が高くなります。

 よくわからない温泉効果で、このシナリオはフラグメンツが3点回復します。
 皆様のプレイングをお待ちしています。

状態
完了
報酬マテリア
0個  0個  0個  1個
15モル 
参加費
50LP
相談日数
7日
参加人数
25/∞
公開日
2020年04月12日

†メイン参加者 25人†

『戦場に咲く向日葵』
カノン・イスルギ(CL3000025)
『ペンスィエーリ・シグレーティ』
アクアリス・ブルースフィア(CL3000422)
『水銀を伝えし者』
リュリュ・ロジェ(CL3000117)


●温泉
 温泉である。厳密に言えば蒸気と濾過したお湯なのだが、そこは気分である。
「程よい温度と清潔な風呂釜。自然ものとは異なるがいい気分である」
 戦後処理で溜まった疲労を癒すべくキース・オーティス(CL3000664)は湯船につかっていた。とはいえ、今はまだ被害の程度を調べている段階だ。実際にどう処理するかを決めるための、準備段階である。
「シャンバラのような食料問題や越冬問題はなさそうだが、しかしこれはこれで面倒だな」
『黒騎士』のような目立った武力勢力こそ見られないが、それでも問題自体は多い。それを纏めるだけでも一苦労だ。自由騎士としてまだ暦は浅いが、だからといって甘えるつもりはない。これからも、共に戦場を駆け抜けた戦友達と頑張るつもりだ。
「誇りある自由騎士達の集い。この絆を守り抜かねばな」
「そうですね。自由騎士になってから、新しいことばかりです!」
 湯気で曇った眼鏡を拭きながら『毎日が知識の勉強』ナーサ・ライラム(CL3000594)は頷く。初めての温泉、初めてのサウナ。施設内をいろいろ走り回り、おっかなびっくり暖かい水に肩まで浸る。この作法も初めてだ。
「肩まで使ってゆっくり100まで……いーち、にぃー」
 ナーサはアミナやサイラスに教えてもらった温泉の作法を実践していた。ヨウセイの村では水浴びで終わったが、しっかり身体を洗っての入浴は確かに気持ちがよかった。この後は肌にいいと言われる液体を塗って見るつもりだ。
「お肌がすべすべになるって聞きましたけど、どんな感じなんでしょうか。楽しみです!」
「なんと、それは私も試したいであります!」
 ナーサの言葉を聞いて黄色の水着を着た『音運ぶ小鳥』ドロテア・パラディース(CL3000435)が話に食いつく。美容に気を使うわけではないが、自分の知らない事は聞いてみたい。未知に興味を示すのはビナー故か。
「そうでありますか。そのような……ふむふむ」
 温泉の気持ちよさもあって、歓談は進む。いろんな人に話をしながら、日常のすばらしさを実感していた。神を討ち、ヒトが取り戻した平和。それを謳える日が来れば、ドロテアは喜んで弦をはじくだろう。
「あるいは自作するのもいいでありますね。やはり自由騎士のヘルメリア侵入から……」
「おもしろそうだねぇ~。でも聞いてると、眠くなっちゃうかもぉ……」
 うつらうつらと船をこぐメーメー・ケルツェンハイム(CL3000663)。基本的に眠っていることが多いメーメーは、温泉でも眠りそうになっていた。先の大戦ではかなり疲弊したので、こういう所で安心して休んで置かなくては……。
「あわわ~。あぶなかったぁ、危うく『そちら側』に行っちゃうところだったぁ~」
 危うく意識を失いかけるメーメー。そのままのぼせて脱水か、はたまた体中沈んでしまうか。そうなる前に目覚めたのは運がよかった。早く湯船から出てロビーで休まないと……。
「ほわわ~。あったかいねぇ~。もうすこし、ゆっくりしよぉ~」
「いや。早く出た方がいい」
 そんな様子を見ていた『静かなる天眼』リュリュ・ロジェ(CL3000117)がスタッフを読んでメーメーを湯船から出させる。のんびり一人で温まるつもりだったが、あの様子を見ては流石にかかわらざるを得まい。
「羽根も手足も伸ばせるのは……やはりいいものだな」
 湯船の中でゆっくり伸びをするリュリュ。人工物とはいえ、ここまで広い風呂はそうそうない。戦争で疲れた体に温かいお湯が染み入ってくるようだ。伸ばした腕をじっくりと見ながら、リュリュは諦めたようにため息をついた。
「結構運動はしているはずなのだが……体つきは成長しないものだな」
 細い腕――主に筋肉周りを見てぼそりと呟くリュリュであった。

●サウナ
 サウナ文化の発祥は、ヘルメリア北部と言われている。そこに住んでいた民族は魔術にも剣術にも長けた戦闘民族で、血行促進などで体を整える秘訣として広まったと言われている。
 まあつまり、何が言いたいかというと。
「この暑さに耐えてこそ、漢!」
「何時間でも、何十時間でも! ただひたすら熱に耐えてみせる!」
「アミナ根比べだー!」
「あーし敗けないからねー」
『朽ちぬ信念』アダム・クランプトン(CL3000185)や『望郷のミンネザング』キリ・カーレント(CL3000547)や『元気一杯!』カーミラ・ローゼンタール(CL3000069)達が熱気に耐える事は言うほど、場違いではないのである。
「成程、サウナとは我慢比べの施設なのか。理解したぞ」
 そしてそれを見て氷面鏡 天輝(CL3000665)が頷く。
「キジンにとってサウナは天敵。しかもオールモストの僕は全身に熱がこもる!
 だがしかし、だがしかし!」
 まとわりつく蒸気が体を温める。同時に熱を含んだキジン部分が熱くなってきた。このままでは危険だ。そんな事は解っている。だが、それでもアダムは負けなかった。
「僕は騎士であり! そして漢だ! ホンモノの漢ならば! 困難に立ち向かうべきはずだ! 燃えろ僕のフラグメンツ! 唸れインデュア! 騎士の誇りにかけて、決して負けぬとここに誓おう!」
 いや、フラグメンツ回復依頼でフラグメンツ燃やされても。
「名のある者よ、僕に挑んでくるがいい。熱い戦いを繰り広げようじゃないか!」
「お、アダムっちも我慢比べ? こっちくる?」
「すみませんアミナさん出来ればもう少し水着の布面積を!」
 アミナに誘われて、全力で拒否するアダムであった。そちらの弱点は未だ克服されていないようで。
「えー? これ以上水着来たら汗でべとべとになるじゃない」
 アダムのセリフにカーミラが不満そうな声をあげる。ただでさえ、お風呂で水着という状態に不満があるのに、これ以上布を重ねたら全然気持ちよくないし。そんな表情である。ねー、とアミナと一緒に頷いた。
「ところでアミナ、汗だくだね。キツい?」
「カミラっちも汗だくじゃーん。降参する?」
「ふーんだ、まだまだ余裕だよ! なんなら踊ってもいいし!」
「おー。あーしだって踊れるもんね!」
 言って立ち上がり、ばさぁ、とタオルを剥いでから踊れる広さを確保する二人。仲はいいんだけど、張り合い始めると止まらない間柄でもあった。
「先に踊りを止めた方が負けだからね!」
「おけおけ。そんじゃ、いくよー!」
 サウナで派手に動いてはいけません。なお勝負は同時KOだったとか。
「ぐぅ……動かず耐えるのがガーディアンの役割……」
 キリは吹き出す蒸気の環境下で必死に意識を保っていた。横になったり、タオルで風を送ったり、汗が溜まりそうな耳付近は丁寧にふき取り、呼吸の仕方も工夫していた。如何なる悪条件でも耐えることが防御タンクなのだ。
(あ、ニコラさんと目が合った)
(大丈夫です! キリはこの程度耐えてみせます!)
 キリをじっと見ているニコラ。それを見てキリは笑顔で手を振った。心配してくれているのは嬉しいけど、これはキリの修行。ここで頑張らないと今後の戦いについていけないかもしれない。その想いがキリを動かしていた。
「まだ大丈夫。まだ大丈夫……!」
「何を書いておるのだ、貴様」
 天輝はキリを見ていたニコラのメモを覗き込む。見れば車輪をつけたウサギ型ロボが疾走し、砦に向かってジャンプして爆発している絵だった。あ、これ以上話しかけると面倒になりそうだと気付き、見なかったことにする。というより……。
「限界じゃ! 余は出る!」
 最初は我慢比べとばかりに耐えていたが、我慢の限界とばかりに席を立つ天輝。熱血など性に合わんだけで、決して負けたわけではないからなと自分に言いながらサウナを出た。自分のペースが一番。
「うむ! これはなかなかいい施設じゃ。蒸気も捨てたもんではないのぅ」
 水で体を冷やしながら天輝はさっぱりした表情をする。熱気が神経を刺激し、程よく冷えた身体が意識を覚醒させる。少し運動したかのような脱力感に満足し、サウナ室を出ていく天輝。
「気分さっぱりじゃ。この状態で飲む酒は美味かろうなぁ……なに、飲酒禁止じゃと!?」
 サウナ後の飲酒禁止、の張り紙を見てがっくりする天輝。仕方なく冷えた果汁を口にするのであった。

●ロビー
「まだいろいろ問題は残っているのに、こんなことしていいんでしょうか……?」
 少し不安げにセアラ・ラングフォード(CL3000634)は呟く。ヘルメスを倒したからと言って、全ての問題が解決したわけではない。なのに休んでいいのだろうか。今のうちに休んでおけ、といわれてやってきたのだが……。
「凄いですね。観葉植物やお香まで……湯上りのスイーツまで」
 これでもか、とばかりに癒しを前面に出した温泉施設を前にセアラの緊張もほぐれていく。実際の所、働きすぎても意味はない。動く時に動き、休む時に休む。大変なのはこれからなのだ。今は存分に楽しもう。
「凍らせたフルーツとかどうでしょうか? アイスコフィンで凍らせて――」
「湯上りにマッサージか。体にいいと聞くが、さて」
『達観者』テオドール・ベルヴァルド(CL3000375)が扉を潜ると、そこには黒マントのペストマスクがいた。
「オーニッツ卿か。こんな場所でもそんな姿なのだな」
「何か問題でも? 医療行為には変わりあるまい」
「いや、病院以外でもその格好なのだが……いや、止めておこう。マッサージをしてくれるとの事だが」
「承ろう。そこにうつぶせになって寝てくれ」
 言われるままにベッドの上に背中を上にして寝るテオドール。その瞬間――ベットの仕掛けが作動し、テオドールの手足と胴にベルトが巻き付いて固定された。
「な、なんだこれは!?」
「マッサージ用の固定台だ」
「マッサージに拘束用のベッドが必要だとは思えな……痛っ! 待ってくれオーニッツ卿、その器具は一体!?」
「かなりこっているようなので、特別コースだ。安心し給え、痛くはあるが死にはしない」
 ――テオドールの悲鳴が、マッサージ室から響き渡った。
「まさかとは思うが、あのベッドを作ったのは……?」
「防音施設の設計も考えておくべきだったわね」
 マッサージ室を指差す『機神殺し』ザルク・ミステル(CL3000067)の言葉に、事も無げに答えるメアリー。この話題には触れないでおこうとザルクは頭を切り替えた。
「とりあえずは終わったな。……いや、まだまだ大変なんだが」
「そうね。何年かかる事やら」
 話題の主語は『ヘルメリア』である。ヘルメリアに逆らったメアリー。メアリーの反乱に巻き込まれたザルク。それがこうして机を挟んでヘルメリアの未来を語ることになろうとは。思えば運命は皮肉である。
「ヘルメスは死に、これからここは大きく変わる。……少なくとも、ヘルメスが統治するよりはマシさ」
 そう願いたいわ、というメアリーの言葉を受け止めるザルク。イ・ラプセルの統治するこの島は、少なくとも亜人を奴隷化したりはしない。メアリーが反乱を起こした原因である亜人の扱いは、確実に良くなるのだ。
「……そうだな。良くなるさ」
 問題は多い。だけどここには良くあろうと願い、行動する人達がいる。ならきっと、大丈夫だ。
「大丈夫ですか?」
「ええ。大丈夫……オラクルって頑丈だから」
『緋色の拳』エルシー・スカーレット(CL3000368)は心配するジョンに手を振って、椅子に座る。先の大戦のダメージが尾を引いていたが、後は時間の問題だ。
「ぶはー! ヘルメリアのお酒もけっこうイケるじゃない!」
「おや、ジンは初めてですか? ウィンナーと一緒にどうぞ」
 傷が痛むので温泉やサウナは避けて、ロビーでゆったり……するつもりだったエルシーはいつの間にかジョッキ片手にお酒を飲んでいた。一人で飲むのもつまらないという事で、ジョンをテーブルに着かせていた。
「先生はこれからどうするつもりですか?」
「しばらくはこの地の復興に力を注ぐつもりです。当面は亜人達への教育ですね」
 酒がある程度入ったころに、エルシーは気になっていたことを問う。ヘルメリアの奴隷解放が成された以上『フリーエンジン』はその役割を終えた。なので次は亜人達を守る為に教育を行っていくつもりだ。
「大変ねー。ま、それも一つの戦いよね」
 拳を振るうだけが戦争ではない。エルシーとは別の戦場でジョンも戦うのだ。
『ショック!? ロマンスを仕掛けようと思ったら、ロマンスを仕掛けている彼を発見! 酒の勢いで、とかどこかの誰かさんもやられた口じゃないですかねぇ? あと一時間もすれば優しく左手にキs――べげ』
『女心チェッカー』のスイッチを切り、深呼吸して冷静さを取り戻す『春近し乙女』デボラ・ディートヘルム(CL3000511)。落ち着け落ち着けと数度心で呟いてチェッカーの言葉を忘れる。エルシーが他の人をテーブルに呼んだのを見計らって、ジョンに声をかけた。
「ジョン様は、ヘルメリアに残られるのですね」
「おや。話を聞かれてましたか。ええ、そうです」
「……寂しくなりますね」
 デボラはヘルメリアに留まることなく、イ・ラプセルの戦いに赴くことになる。次はパノプティコンかヴィスマルクか。どちらにせよ、厳しい戦いになることは予想される。その隣にジョンがいない事は、やはり寂しいと思ってしまう。
「大丈夫です。貴方には共に歩む戦友たちがいます。寂しさなど吹き飛びますよ。
 それでもヘルメリアや私達が恋しくなったのなら、これを見てヘルメリアでの戦いを思い出してください」
「これは……?」
 ジョンが手渡したのは、彼がいつもつけているモノクルだ。デボラはそれを受け取り、胸に抱く。
 進む道は違うけど、それでも――

●温泉
(あの選択は間違いではなかった)
『ペンスィエーリ・シグレーティ』アクアリス・ブルースフィア(CL3000422)は湯船につかりながら、自身の選択を顧みていた。後悔はない。あの行動はあの時自分が出来る最大の事だった。だけど――
(もし別の選択をしていたら……彼は此処にいたのかもしれない)
 アクアリスに後悔はない。だけど想い人は自分の傍にいない。今彼がどこでどうしているのか。それを知る術すらない。行けば邪魔になる。触れるべきではない。でも会いたい。もっといろいろ話をしたい。どうしよう。そんな思いが頭の中でぐるぐる回っていた。
「むむむむ。あたまがフットーする……!」
「よくわからないけど大変そうだなぁー」
 悩むアクアリスを見ながら『戦場に咲く向日葵』カノン・イスルギ(CL3000025)は呟いた。実のところ恋の悩みはカノンも他人事ではないのだが。それはともかく温泉だ。日頃の疲れをしっかり癒そう。
「折角蒸気があるんだから、蒸料理を作るよ! 上がった後でいっぱい食べるんだ!」
 カノンはバルブの一部を調節し、蒸気を拝借する。用意してきた食材を布でくるみ、蒸気に当てる位置に置いた後に温泉を堪能する。身体をしっかり洗い、湯船に使って体を温め、その頃には食材も充分にあったまっていた。
「いいお風呂だった! それじゃ、頂きまーす!」
「温泉……凄いですね」
 温泉施設を前にして『その瞳は前を見つめて』ティルダ・クシュ・サルメンハーラ(CL3000580)は驚きの声をあげていた。いろいろと問題は山積みだが、休めることが出来るうちは体を休めておこうという意見の元、やってきたのだ。
「ふわー……気持ちいいです……。心も体もほどけていくみたいですね……」
 程よい温度に調整されたお湯がティルダの体を温めていく。疲れていた身体をほぐすように染みわたり、血行を良くして全身を癒していく。身体が癒えれば精神的な余裕も生まれてくる。動くことと休むこと。このバランスはいつだって大事だ。
「いろいろな問題も、こうやって解けていけばいいのに……」
「少し……熱いかな……?」
 お湯の温度に息つく『紅の傀儡師』マグノリア・ホワイト(CL3000242)。サウナは熱すぎるという事で温泉にやってきたのだが、こちらはこちらでまた熱かった。気を抜くとそのまま倒れそうだ。
「ほらレティーナ。肩までつからないといけないよ」
「あのあのあの。いいんですか、私なんかがお風呂に入って」
 マグノリアの隣には、ネズミのケモノビトのレティーナがいた。元奴隷だったこともあり、お風呂に入るという行為に戸惑いを感じている。
「ああ、構わないよ。もう奴隷制度はないんだ。僕らはみんな平等だよ」
「平等……」
 言いながらレティーナの頭を撫でるマグノリア。平等。その言葉の意味をまだ実感できないレティーナだが、こうしていいというのはけして悪い気分ではない。これから少しずつ平等という社会に慣れていけばいいのだ。
「よぉーし! 水着のお姉さ……い、いや! 張り切って温泉施設を楽しむぞー!」
「セーイ……張り切ってる……?」
 はしゃぐセーイ・キャトル(CL3000639)とそれを見るノーヴェ・キャトル(CL3000638)の【しきたりにしたがうもの】はまずはお湯の温度を確認する。人肌よりも少し高め。これなら火傷する心配もなく、安心だろうと頷いた。
「よし!大丈夫みたいだな。あ、コラ、ノーヴェ! 入るのは体と頭、洗ってからだぞ!」
「……そう、なの……?」
「んー、仕方ないなぁ……。頭は洗ってやるから、ホラ、その間に体洗いなよ」
「私……も、セーイの頭、を……洗う……」
「俺は自分でできる方いいっての!」
 そんなことを言いながら体を洗い合う双子。
「温泉が終わったら、お姉さん巡回の為にサウナもいってみるか!」
「おねえさんじゅんかいは……だいじな、もの……? ……こと?」
「ノーヴェも一緒なら怪しまれな……落ち着け、俺。少し穢れてきたぞ……」
「……?」
 ノーヴェと会話をして自分の発言を省みるセーイ。男として水着お姉さんに目が行くこと自体は健全だ。だがそれはそれ。ノーヴェを利用しようというのは少し待とう。その理性がブレーキをかける。
「いや、色々あって楽しそうだしな。一緒に回ろうぜ!」
「ん……。サウナって……どんなところ……?」
「すっげー熱い蒸気の部屋で、出た後に水風呂に入って『ととのった~』っていうのが礼儀なんだって!」
「サウナは……整う……?」
 そんな事を言いながらセーイとノーヴェはお湯につかる。今日は一日、遊びつくそう。

●サウナ
『ひまわりの約束』ナナン・皐月(CL3000240)は苦悩していた。
「たのもー!」
 サウナの扉を開け、室内の蒸気に押されるように扉を閉める。初のサウナであるナナンは室内外の温度と湿度差に驚いていた。このままでは負けてしまう。いや、別に勝ち負けとかないんだけどとにかく気合を入れなくては。
「た、たのもーーーー!」
「Come on! ようこそ我が蒸気サウナへ! 自動入室システム発動!」
「にぃえええ!?」
 唐突に叫ぶニコラの声と同時に、ナナンの背後の壁がバネのように跳び出てナナンを部屋の中に押し入れる。そして小型の人形がナナンを抱え、開いた席へと運び込んだ。
「OK! その蒸気式チクタクノームが10分測定する。それまでゆっくり温まるのだ! そのあとで水風呂に入り、さらに戸を叩け! それがサウナだ!」
「ほわわぁ。そうなんだぁ、ありがとう!」
 礼を言うナナンに指を立てるニコラ。どうでもいいがやかましい。
「凄い発明ですね……。尊敬します」
 そんなニコラの様子を見て『命を繋ぐ巫女』たまき 聖流(CL3000283)は感動する。蒸気機関の発明は数あれど、ニコラのような発想は類を見ない。同じ技術者だが、その方向性の違いから尊敬の念を抱いていた。
「No! 大事なのは基礎部分DA!」
「そう……なんですか?」
「しっかりとした技術をベースにするからこそ、奇抜な発想が生きてくるのだ!」
 先の大戦におけるティダルト射出にしても、イ・ラプセルの技術者がしっかり調整してくれたからできた作戦だ。そういった下地を疎かにはしない。技術を支えるのはそういった日々努力を怠らない技術者なのだ。
「あの、発明のコツとか、ありますか?」
「It’s Mistake! とにかく失敗することだ! 爆発した数だけ、経験値が得られると思え! あと笑ってごまかせ! WAHAHAHAHA!」
「相変わらずの性格だな、貴様は」
 笑うニコラに話しかける『咲かぬ橘』非時香・ツボミ(CL3000086)。
「なんでそこまで蒸気技術に入れ込むんだ? 両親か何かの影響か?」
「Don’t know! よくわからん!」
 わからん? ニコラの答えにツボミは眉を顰める。
「そこに歯車があり、そこに爆発がある! ならば突き進むしかあるまい! 幸いに知れヘルメリアにはそういう機会が多い。そして機械も多い! おお、上手いこと言ったんじゃね」
「原点らしい原点はなく、感性のままに進んでいる……という事か?」
「Origin! 行動理念というのならそこに山があるぐらいだ! まあ奴隷協会に捕まりそうになってヤベェところをジョンに助けられて今に至るわけだが!
『このヘルメリアでも希望を見出せる貴方に、反奴隷組織の光明となてほしい』とか言われたがな! まあ結果オーライだ!」
(なるほど……師もああだったのだろうか?)
 笑うニコラを見て、ツボミはそんなことを考える。奇病難病に挑んだ自分の師匠。師の情熱とニコラの情熱は同じなのだろうか? 違うのだろうか? 答えは出ない。師は此処にはいないのだから。
「成程……つまり自然体か」
『灼熱からの帰還者』ニコラス・モラル(CL3000453)はニコラの方を見てそんなことを呟いた。不動の姿勢で椅子に座り、鋭く周囲を見回している。たまたま見かけたニコラに意識を向け、ふむりと頷く。
(普段作業着に覆われている胸は隠れた逸材。しかしニコラの真価はそこではない。熱い作業着で守られたおへそから腰への流れ。特に美容運動をしているとは思えない自然体だからこその、ライン)
 もしニコラスの心を読めるスキル持ちがいたら、何やってんだよお父さんとツッコんでいただろう。
「どったのニコっち? 熱いのダメ?」
 真剣な表情をするニコラスに話しかけるアミナ。
(これは見事なアミナっぱい! 大質量こそ正義とは古来からの名言だがまさにそれ。褐色えろすを隠すことなく前面に押し出し、格闘家ならではの鍛えられたボディ。そしてむとむち太もも。鍛えられた身体はやはり張りがあるなぁ、うん)
「ああ。大丈夫。そういえばサウナでマッサージすると健康促進になるらしいぜ。やってみるか?」
「ニコっち、目が怖い」
「確かにミストサウナは健康促進になりますわね」
 微笑む『ヤバイ、このシスター超ヤバイ』アンジェリカ・フォン・ヴァレンタイン(CL3000505)。既に十分に温まっているのか、程よく顔が上気している。ところで手にしている金属ボールは何ですか?
「ミストと聞きまして、私ピンを抜いたスモークボムが三つほどあるんです。程よい蒸気が生まれるでしょう」
 いやミストとスモークは違うっていうか、そもそもそれって爆発物ですよねあんじぇりかさん。いくらダメージ0だからって、どくどくも武器やスキルの使用禁止って注意書きに書かなかったですけど。
「うふふふ」
 ――――――あ。

 ミスト(物理)がサウナ内にあふれ、今まで噴出していた霧とマザリ爆発的な圧力が部屋内にかかる。それにより歪んだ配管からさらに蒸気が噴出し、連鎖的にサウナ室内に空気が流れ込み――爆発に似た現象が起きた。
 施設は一時閉鎖され、一部利用者はあられもない姿で発見されたとか。施設作製者のニコラは『Wonderful! 今日のMVPは決まりだな!』等と意味不明な事を叫んでいたとか。
「てへぺろ」
 スキル『てへぺろ』が初めて役立った瞬間でもあった。メタい。


†シナリオ結果†

成功

†詳細†

称号付与
『てへぺろ狐』
取得者: アンジェリカ・フォン・ヴァレンタイン(CL3000505)
『何やってんだよお父さん』
取得者: ニコラス・モラル(CL3000453)
『立ち尽くす漢』
取得者: アダム・クランプトン(CL3000185)
特殊成果
『片眼鏡』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:デボラ・ディートヘルム(CL3000511)
FL送付済