MagiaSteam
【アクアフェスタ!】マーメイドブルー




 水の国イ・ラプセルのさらなる豊穣を女神に祈るアクアフェスタ。
 戦争中ではあるけれど、だからこそお祭りはするべきだとは国王の言葉。
 この日は水着に着替えて、海に飛び込んだり、トマッテーナでトマトを投げ合ったり、とにかくはしゃいで豊穣の水に感謝するお祭りです。
 露店も深夜まで営業して、夜通し遊ぶことができます。


 青い海! 近くて遠い水平線! 太陽に焼けた砂が足に心地いい。
 ここはイ・ラプセルでも最南端にある、ビーチ。
 エメラルドグリーンの海に飛び込んで遊んでもOK! こんなときこそ商売を! と通商連が広げた露天を眺めるのもOK!
 少し潜れば美しいサンゴ礁に色とりどりの魚がかくれんぼ。
 そんなリゾート地のような場所があるのが、イ・ラプセルだ。

 今日は、今日だけは戦争を忘れて、この海を楽しんでみるのもいいだろう。
 
 神暦1818年の夏。
 それはこの一回しかないのだから!


†シナリオ詳細†
シナリオタイプ
イベントシナリオ
シナリオカテゴリー
日常β
■成功条件
1.夏を楽しんでください。
ねこてんです。正式名称†猫天使姫†です。
 イベシナです。

 のんびりと夏のリゾートをお楽しみください。
 以下に書くルールはしっかりとお守りくださいませ!

 南の島の女傑族のみなさんから仕入れたスイカもあります。
 スイカ割とかしてもかまいません。

 基本的に通商連の露天は食べ物飲み物、果ては宝石など、いろいろなものが用意されてますのでよっぽどのもの以外はそろっていると思ってくださってかまいません。
 氷を細かく削って、甘い蜜と果物を添えた氷菓がどうも人気のようです。
 一気に食べるときーんとなるみたいなのでお気をつけください。

 ゲーム的なものはお祭りのほうに。
 
 サンゴ礁に行きたいかたのために、ミズヒト以外の方は、30分だけ水の中でも息ができる魔法を唱えてくれる便利な人がいます。魔法便利。
 それほど深くはないので陽光に輝く美しいサンゴを見てきてください。
 なお破壊は絶対にしないでください。

 泳ぐのであれば好き放題にしていただいて構いません。
 
 時間帯は昼~夜までご自由にご指定ください。
 特に指定がなければ昼としてあつかいます。

 夜になると星空が広がりますので、砂浜を散歩することも楽しいのではと思います。

 特別に今日はウタクジラのメモリアもこちらにお邪魔しています。
 浮き輪代わりに使ってもらってもかまいません。基本的にはふわふわ飛んでいますが海面近くを泳ぐこともできます。
 特に絡みがなければ、沖合でおきあみもぐもぐしてます。おきあみおいしい。

 他にも水着に着替えたムサシマル・ハセ倉とアーウィン・エピも遊びにきています。
 ムサシマルは遠泳をしようとやる気になっています。
 「泳ぐでござるよーー!! めちゃくちゃ泳ぐでござるよーーー!!」
 アーウィンは初めての南国の海でそうとうキョドっています。(彼は北のほうの海をみたことしかありません。泳げません)
 「なんで女がそんなハレンチな恰好をしてるんだ! 泳ぐためか! そうか! いいから服着ろ!」などと支離滅裂な思考。



●イベントシナリオのルール
・参加料金は50LPです。
・予約期間はありません。参加ボタンを押した時点で参加が確定します。
・獲得リソースは通常依頼難易度普通の33%です。
・特定の誰かと行動をしたい場合は『クラウス・フォン・プラテス(nCL3000003)』といった風にIDと名前を全て表記するようにして下さい。又、グループでの参加の場合、参加者全員が【グループ名】というタグをプレイングに記載する事で個別のフルネームをIDつきで書く必要がなくなります。
・NPCの場合も同様となりますがIDとフルネームは必要なく、名前のみでOKです。
・イベントシナリオでは参加キャラクター全員の描写が行なわれない可能性があります。
・内容を絞ったほうが良い描写が行われる可能性が高くなります。
・公序良俗にはご配慮ください。
・未成年の飲酒、タバコは禁止です。
状態
完了
報酬マテリア
0個  1個  0個  0個
16モル 
参加費
50LP
相談日数
7日
参加人数
22/∞
公開日
2018年09月01日

†メイン参加者 22人†

『教会の勇者!』
サシャ・プニコフ(CL3000122)
『イ・ラプセル自由騎士団』
シノピリカ・ゼッペロン(CL3000201)
『命を繋ぐ巫女』
たまき 聖流(CL3000283)
『ひまわりの約束』
ナナン・皐月(CL3000240)
『慈悲の刃、葬送の剣』
アリア・セレスティ(CL3000222)




「来年こそは……!! 皆様のような水着で!! ……肌を晒すのは恥ずかしいですけれど、意中のっ! あの! ひと! に!!!! ですから!! さび! しく! ないっ!!!」
 かわいらしいワンピース姿に日よけの白い帽子をかぶった『命短し恋せよ乙女』ジュリエット・ゴールドスミス(CL3000357)は来年の海への想いに闘志を燃やす。
「うーーーーーーーーーーーーーーーみーーーーーーーーーーーー!」
 知ってか知らずか、キジンの少年、『挺身の』アダム・クランプトン(CL3000185)が砂浜の端から端に向かって駆けていった。その勢いにジュリエットがはねられくるくるとその場を回っているが目もくれていない。というか全く気付いていない。
「わーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
 というか誰も彼を呼び止めることはできない。だってあんなに楽しそうなんだもん。

「わー、美味しそー♪ でもあれ? なんか平べったいねー」
 塩味のパンケーキにとりどりの好みの海鮮などの具材をいれてぺたんこに焼いたソウルフードを注文した『太陽の笑顔』カノン・イスルギ(CL3000025)は、クエスチョンマークを浮かべる。
 どうにも昔母親に作ってもらったものとは違う。彼女がよく知っているのはソースヌードルをいれたものだ。
 お店の人をみらちらとみるが、具材のなかにソースヌードルは用意されていない。
 そういったものもあるのかと思い口にすると、芳醇なソースの香りが口いっぱいに広がった。
 果実や、香辛料、タマリンドやエシャロット、それに野菜を複雑に調合したソースは得も言われぬ味だ。
 通商連の屋台にこんなおいしいものがあるなんて!
 カノンは次のお店に向かう。オクトパス焼きに、ソースヌードル! アップルキャンディに削った氷のお菓子。
 挑戦すべきものはまだまだあるのだ!

「あちらにあちらに氷で作られたお菓子があるそうですわ!」
 キラキラした目を向けるのは『疾走天狐』ガブリエーレ・シュノール(CL3000239)。
「パトロン様よ。ハイバランサーは活性化してるか? 砂の上は普段より転びやすいぞ?」
 慇懃無礼なお抱え詩人の『風詠み』ベルナルト レイゼク(CL3000187)は慣れたものだ。事前のフォローはばっちりだ。とはいえそれが彼の主人に感謝されるかは別の話で。
「私をなんだと思っているのですか? それより氷菓子です!」
「ああ、暑い時期にはもってこいだな、でパトロン様は何味がこのみなんだ?」
「え、え、あの緑色の……お支払いはお任せください」
「おっちゃん、メロンとレモンで」
 ベルナルトは懐から財布をだすと、ささっとスマートに払ってしまう。
「ちょっと! ベルナルトさん! 私が払います! それこそ主人の務めでしょう! あと私年上ですのよ!」
 ベルナルトは恰好をつけたかった。そんな機微を察することのできるガブリエーレではない。
 その時のガブリエーレの擬音をあらわすのであれば「むっすーーーーーーー」である。
「ほら、お前さんの分」
「……」
 あー、お嬢、完全にへそを曲げてるわ。ふぐみたいな顔してるじゃん。
「ほら、溶けちゃうぞ。もったいないだろ?」
「……ありがとうございます」
 ガブリエーレはスプーンを氷の山に突き刺しざくざくとシロップをなじませていく。
「私のほうが年上なのに。普通年上が払うものでしょう」
 ぶつぶつと愚痴るパトロン殿は機嫌を損ねると面倒くさい。意外とこんな小さいことで機嫌をわるくしてしまうところは子供だなんていうと、このパトロン様は今度は烈火のごとくに怒るのだ。
 そもそも、彼は衣食住の面倒をみてもらっている。こんな時くらいは、とも思うが彼は彼女の機嫌を直す方法は知っている。
「あーー、かき氷くってたら、綿あめ食いたくなっちまったなー」
「綿あめ!? わかりました! 私が買ってきます!」
 ほら、機嫌はなおった。けど、なんであんた、従者にパシらされてんの? とは思ったが口にも顔にもださないベルナルトであったのである。

「お嬢さんセクシーな水着だね」
 『裏街の夜の妖精』ローラ・オルグレン(CL3000210)に声をかけるモブ男。
 ひっかかった♡ と校閲ぎりぎり少女。動くじゅうはちきん未満ローラがほくそ笑む。
 表情はこびっこびの笑顔ではあるが。
「うふふ、ごめんなさい、約束をしてるの、えっとぉ」
 近くで自分を見ていた少年の腕をつかんで、そこまでは大きくはないけれどでもしっかりとボリュームのある胸部装甲をおしあてる。
 少年はおうっ! とかオットセイのような声を出す。
「彼氏でぇす♡」
「なんだよ。彼氏付きかぁ~」
 男は去っていく。
「……あの」
 必死で目を逸らそうとする少年の姿にローラはきたこれと舌なめずりする。こういった初心な少年が『美味しい』のだ。
「ありがとうございます♪ その、ナンパされてこまっててぇ~」
「あ~、そうっすかー」
「あの、お礼したいんで、お時間ある、かな?」
「ええっ」
 あわれ、少年は少女との刺激的すぎるひと夏のアバンチュールのボーイミーツガールルートに強制連行されるのであった。

 警備中の『女傑』グローリア・アンヘル(CL3000214)は水着女子がすれ違うたびにいちいち狼狽しているアーウィン・エピ(nCL3000022)を見かけ話しかける。
「女性の肌の露出は、男性にとっては喜ばしいものとばかり思っていたのだが……おまえにとってはそうでもないんだな?」
 その言葉に半分涙目だったアーウィンが露骨にほっとした顔を浮かべる。
 さもありなん、グローリアの姿はいつものしっかり着込んだ軍服だ。
「女傑様よ、あんた暑くねぇの?」
「温熱適応だ」
「いや、こう、夏の暑さを楽しむとか……いやなんでもない。仕事人間にいうこっちゃねーや。そっちのが合理的だもんな」
 言われて少しグローリアは自分の体を見下ろす。別に水着映えしないし、見せたところで誰が得するのかとか、そもそも軍人として、騎士として女らしさは捨てた。だから別にアーウィンがあっさり納得したことにムカついてなんかいない。別にうらやましくないし、スキルで暑さ感じないからそもそも水着になる必要なんてないし、ああなんで私は言い訳してるんだ。
 だから、グローリアはついつい、口にだしてしまう。別にアーウィンに聞きたいわけではないし、一般的に男性の意見というモノをヒアリングしてみたくなっただけである。そこに深い意味はない。QED。
「……ところで、なぁ、アーウィンよ。破廉恥だとは言いつつも、やっぱり女性は出るとこ出てるほうが良いと思うか?」
「はぁ????? 知らんわ!!!! 知らんわ!!!!」
 そういうとアーウィンはすたこらと逃げてしまう。ドヘタレ。

「おやアーウィン、どうしたそんなにキョドって? ちょっと可愛いではないか」
 逃げ出したアーウィンに次の試練が襲い掛かる。ちょっとこわい医者のお姉さん(笑)『咲かぬ橘』非時香・ツボミ(CL3000086)である。
「お前も破廉恥か!!! クソ医者!」
「まだ名前を憶えてないのか。 特別にツボミ先生と呼んでいいぞ。というかこの程度で破廉恥とか、貴様カマボコはトトからできてるの? って聞く人種か! 末恐ろしいわ」
「いいから服着ろよ!」
「海で泳ぐというのにそれはないだろう? おぼれたものを助けに海中に入らざるを得ないときもあるのだぞ」
「いいから近づくな!!!」
「お、お? なあ、アーウィンよ。この腰の目のあるところは開けてあるんだけどな、ここをめくるとセクシーなわき腹がみえ」 
「うわーーーたすけてーーー」
「うお! 泣くな! わめくな! 気娘でもあるまいし!」
「うわーーーーー」
「ま、水着はともかくだ」
 ツボミは上着を羽織りアーウィンを落ち着かせる。いや、これほんと、なんつうか、貴様男として大丈夫? そんなことを思うが口にだしたのは憎まれ口ではなかった。
「どうだ、貴様この国にはすっかり慣れてきたか?」
「ああ、まあ、なんつうか違いすぎて戸惑うしケモノビトでも普通でいられるし、そもそもあんたみたいなマザリモノも野放しだしな!!!」
「なあ……敵国だろうが知らぬ土地だろうが、えいやと飛び込んで見れば意外と満足や幸福を掴み得るたりもする。そんなもんだと思わんか」
「……」
 アーウィンは答えない。
「なあアーウィン。今、どうだ。幸せか?」
「……っ!」
 国に兄弟分を残してきた彼にとってそれを認めることは裏切りにも近いのだ。だから答えることはできない。この国に愛着だって持ち始めた。神の色を変え、自由騎士団に所属した時点で裏切っているのはわかっている。
「貴様はな、なかなかどうして、大した奴だ」
「そんなことねえ」
 少なくとも独りよがりで勝手に助けようとして勝手に失敗してしまった自分よりはな。
「まあ、自分では自覚しづらいかもだけどな」

 氷を削ったお菓子!!
 キラキラ! ぴかぴか! 宝石みたいだ!
 サシャ・プニコフ(CL3000122)は氷菓屋の前でいったりきたり。
 ついには店のおっちゃんに、直接勧められてしまう。そりゃあ目の前でいったりきたりでよだれを垂らしてるのがいたら商売あがったりだ。
 サシャはさくさくの氷にスプーンを突き刺す。熱気に少し温度が上がっている鉄のスプーンが氷を溶かしながらその手ごたえをサシャに返す。
 すくいあげた氷の小さな山を口にすれば
「ひゃーーーーーーつめたいぞ!」
 太陽の光に火照った体が一気に冷めていく快感は言うまでもない。
「はっ! 早く食べないと水になってしまうのだ!」
 気づいたサシャは一気にかきこむ。賢明な読者諸君は気づくであろう。いわゆるアイスクリーム頭痛の存在に。
 もちろんそれは容赦なくサシャを襲う。
「のわーーーー!! 頭が!! 頭が!!!」
 冷えすぎた体を休ませるために体が脳に警告を送る。
「なんと! 精神攻撃か! 頭が痛い! 攻撃的な恐ろしいたべものなのだ!」
 でもおいしい。痛い。おいしい。痛いのループ。
 教会の仲間にも食べさせてあげたいと思ったサシャは今度氷を砕いて子供たちも食べさせてあげることを誓うのであった。

「ええ、ほんまに?」
 水中呼吸のできる魔法があれば、足のカタフラクトは気になるけど、それ以上にサンゴ礁がきになる『イ・ラプセル自由騎士団』アリシア・フォン・フルシャンテ(CL3000227)は魔法をかけてもらうと一目散に海に飛び込んだ。
 水からあがったら、カタフラクトは真水でながしてギシギシしないように~、と思うが飛び込んでしまえばそんなことも吹き飛んでしまう。
「えっらいブツブツしててんな」
 ごくごく近距離でみるサンゴの質感を眺めてそう思う。
 するとそのサンゴの間からオレンジと白と黒の小さな魚が顔をだしてすぐにひっこめた。
「ごめんごめん、おどろかそうはおもてなかったんよ。なかよくしたって?」
 アリシアが優し気に問いかければ魚はもう一度顔をだしゆっくりと泳ぎ始める。そのあとをつけていくと。
「「いったーーー」い!!」
 同じように魚をのぞきこんでいたちっちゃなトランジスタグラマ『全力全開!』カーミラ・ローゼンタール(CL3000069)と頭をぶつける。
 カーミラはロングヘアをシニョンにまとめ、真っ赤なキャンディのような水着がうれしくて、そのテンションのまま海につくとその瞬間に走り出して、砂浜で裸足の足が焼けるのをたのしみ、そのままの勢いで海に飛び込んでサンゴを見に来たのだ。
 まさに猪突猛進の勢い。
「きらっきらしてるねー」
「ほんまやわ!」
 頭をぶつけった少女たちはすぐに意気投合する。目の前のきれいな景色は一人で楽しむよりは誰かとたのしみたいものなので。
 白や青の魚が少女たちを追いかけるように泳ぐ。
「おいかけっこしよ、いうてるんちゃうん?」
「そうかな? その挑戦にはうけてたつよ!」
 アリシアとカーミラは嬉しそうに前を泳ぎだした魚をおいかける。
「あ、いまの青い魚みた? めっちゃ変な顔だった~!」
「あれナポレオンフィッシュっちゃうん? 大昔のシャンバラの英雄の名前の」
「あんな変な顔だったの?」
「さあ、しらへん~」
 少女たちは笑いあう。
 
 30分の海中探索。
 短い時間ではあるけれど、たまき 聖流(CL3000283)にとってはとても楽しみなことであった。
 さすがに現在の技術では蒸気カメラを水の中にいれることは不可能だ。故に、少女はしっかりとしっかりとその様子を目に焼き付ける。
 サンゴたちの生態系はどんなものだろう。サンゴのアーチに海藻のカーテンを泳ぐ色とりどりの魚たちが泳ぐ様は神秘的で幻想的で。まるで自分が神話の中にいるようにさえおもえる。
 きっとアクアディーネ様はこんな素敵な景色を自分の目でみたことはないのだろう。だからこれを絵にしてみようと思う。
 喜んでくれたらいいな。笑ってくれたらいいな。たまきはそう思うと自分もまた笑みを浮かべていることにも気づいた。
 そういえば、とたまきは海藻を手に取って探る。
 あった。
 黒い海藻に一つ二つ。たくさんの星。
 いわゆる星形の砂。星砂のもとだ。この時代にはまだ詳しくは解明されてはいないが、それはサンゴ礁の炭素循環を促す植物プランクトン有孔虫バキュロジプシナである。この海藻に張り付く原生生物が死んだ炭酸カルシウムの塊が星砂と呼ばれているものだ。
 彼らの存在が海を美しく保っている。たまきはその付け根をさぐる。海底には海藻から落ち死骸となった星砂がいくつか落ちている。それを拾い上げるとたまきは嬉しそうに小瓶に詰めていく。

 蒸気鎧装の体に海は不釣り合い? 大丈夫!! 
 体で目玉焼きが焼ける? そんなことはない! 肉だって余裕だ!
 どうも暑さで頭がいいかんじに茹ってるアダムはまだ走り回ってる。めっちゃ満面の笑みだ。
 何人かその走る風圧で轢いてるけど特にきにしない。だってたのしいから!
 正直海に入るのは不安があるし、正直怖いから走り回ることにしたのだ。
「僕はカーペンターさ!!!!!!!!!!!」
 突如その場にしゃがみ込むと大きな山を作り始める。たぶんお城なのだろう。どうもこの満面笑みのカーペンター殿は特殊なセンスをもっているようである。
 そういえばメモリアさんもいるんだよね?
 少年は走る。めっちゃ笑顔で。

 少女は初めてであうウタクジラに声をかける。
 話にはきいていた。だから会いたかった。
 挨拶は気丈に! 華麗に! 美しく!!
「おーっほっほっほ!」
「うわーーーーーーーーーーーーーメモリアさーーーーーーん!!! 元気だったーーーー? 夏たのしんでるーーーーーー????」
 めっちゃ笑顔の暴走列車が通り過ぎていった。
「アダム!?」
 暴走列車は止まらない。
『あの、暴走してるの、アダムでしょ? あのこ、いつか日射病で倒れるわ』
 あきれた声のメモリアに、はたと気づき、ジュリエットは自己紹介の途中だと気づく。
「おーっほっほっほ」
 テイクツー。高笑いから。そこだけは譲れない。
「わたくし、ジュリエット・ゴールドスミスと申しますの!」
『そう、わたしはメモリア。ウタクジラよ』
「ごきげんよう、メモリア。あなたの歌声は美しいと聞きました。ここでお願いするのは無理かしら?」
『ん、楽器の音といっしょならいいっていわれているのだけど。あなた楽器持っていないわ』
「まあ、それは残念。でもでも! いつか聞きたいわ。次は楽器もってくるわ。……そのカスタネットでもいいのかしら?」
『たぶん?』

「やっほー! ナナンだよぉ!」
 次にメモリアにはなしかけるのは『ちみっこマーチャント』ナナン・皐月(CL3000240)
『こんにちは、ナナン』
「ほんとはねーおもちつれてこようとおもったけどあぶないかなーって! だから上手におもちの絵を描いて持ってきたから、見て! 見てー! なのだ!」
『ちっちゃい。おきあみみたい』
「たべものじゃないよーー! おもちはねぇナナンの最初のお友達でぇ、今は大事な家族で相棒のハムスターなんだぁ! かわいいでしょー?」
『おいしそう、かも』
「たべちゃだめーーー! でね、メモリアちゃんもナナンの大事なお友達!」
『そう、おともだち』
「そうだよー! ねえ、一緒におよごう! そういえばメモリアちゃんの赤ちゃんは、今、どうしてるのぉ? 」
『赤ちゃん? 前も言ってたけどなんのおはなし? 私はひとりしかいないわ。あなた達みたいな家族はいない』
「そっかあ、じゃあ、ナナンを家族みたいなものとおもっていいのだ!」

 ひとり、穏やかな海辺。最高ですね。
 コジマ・キスケ(CL3000206)はパラソルの影のなか飲み物を片手に波の音を聞きつつ読書という優雅な休日をすごしていた。
 おいこら、ボッチとかいうな!
 孤独を楽しむ。それこそがこのたくさんの人がいる中での贅沢なのです。
 ですのでぼっちではありません。私はあえて、あ~~え~~~て孤独を堪能しているのです!!
 さあ、波間でも遊びましょう。ええ、ええこれは孤独波遊びという由緒正しい遊びなのです。それを楽しむのは優雅で贅沢な遊び。
『ぼっちなの?』
「ちがいます!!」
 とはいえ、現れたウタクジラにひっついて漂うというのもそれはそれで贅沢。
「少しご一緒してよろしいですか?」
『かまわないわ。私泳いでいるだけだけど』
「それでいいんです、のんびりのんびり」
『おきあみたべる? ここのおきあみおいしいのよ?』
「さすがにそれは遠慮しておきます」
 何はともあれ。コジマはのんびりと優雅で贅沢な休日をすごしたのであった。
「これはこれでいい一日です。……毎回一人(これ)だと、どうかなーっておもいますが」

「あのっ! 困ります!」
 普段の激戦の疲れの癒しに水着に着替え、サンゴ礁を観覧し、露天で遊びつくした『慈愛の剣姫』アリア・セレスティ(CL3000222)は、ビーチで寝転がり、のんびりとしていたところだった。
 冷たいスイーツは普段はあまり口にしないのだけれども、夏だからこそ楽しめるスイーツを否定するわけにはいかない。
 果実たっぷりのジュースをすすり、なにもしない時間をたのしみ、アンセムではないけれど、眠くなってきたなぁとうとうととしていたところだった。
 突如数人の男性が自分の腕をつかんで強引なナンパを仕掛けてきたのだ。
 一般人には手を出さない。そう誓った騎士であるアリア引きずられるように起こされると、海に誘われる。
「ちょっと」
 きわどいところにまで男の手が触れる。
「おい、にーちゃん、やめろよ」
「ああ? なによ? 邪魔すんの? ケモノビトが?」
 その一般人をアーウィンが一撃殴った。男たちはその一撃ですぐに劣勢を悟ると逃げ出す。
「あーあー! アーウィン殿、殴っちゃった! また捕まるでござるよ! ほら、アリア殿。ああいう輩に甘い顔をしてるとすけべされるでござるよ! きけんきけん!」
「おい、今のはほら助けるためにだから、しかたねえだろ! ああいうのは説得より拳で……」
「これだからノウキンこまるでござるよ」
「あの、すみません」
 アリアの危機を察知したアーウィンとムサシマルが救い出したというわけだ。
「かまわねぇよ。俺ら、一応ビーチの警備もしてたからっていうか服着ろ」
 強引に引っ張られた所為か水着がきわどくずれている。
「その、ありがとうございました!」
 アリアは焦って水着をなおし二人にお礼をいった。

 そして夜半。
 『梟の帽子屋』アンネリーザ・バーリフェルト(CL3000017)の呼びかけで集まるのは酒飲み集団。
 アーウィンもしっかりと巻き込まれている。嫌がったので飲ませられた。すでにぐだぐだだ。
 彼らは露天から数々の料理を持ち寄りマットの上に所せましと並べられている。ちょっとした夏の終わりの宴会だ。
「さーて、みんないい? おつまみ持参ありがとうー! お酒もいっぱい用意したからね! カンパーイ!」
 グラスを掲げ乾杯の音頭をアンネリーザがとると、そこにいる酒飲みたちはその乾杯にあわせ自分のグラスを持ち上げる。
「「「「「かんぱーい!」」」」
 カチンカチンとグラスを当てる音がそこかしこで聞こえる。
 枝豆をしがみながらアマノホカリの強い酒を飲むのは『天辰』カスカ・セイリュウジ(CL3000019)。
 暗視がやけにぶれてみえるのはなんですかね。暗視序破急超えて、結ですかね? 起承転結的に。
 ああ、みてくださいよ、こういう海にはね、出るんですよ。
 カスカはすっかりできあがって、その場で適当にでっち上げた嘘くさい怪談を披露している。マジビビりしたアーウィンがすでに泣いている。
 従来であれば騒ぐのは得意ではないがたまにはこういったトンチキ騒ぎも悪くはない。トウモロコシにソースヌードル、ジャガイモにバターを添えたもの。そういった自分が祭りでおいしいと思ったものを持ってきた。
 ヌードルはずいぶん人気のようだ。あっという間になくなってしまった。
 まだ少しだけ痛む腹部。だから思い出す。『蒼影の銃士』ザルク・ミステル(CL3000067)は豪快に笑う『揺れる豊穣の大地』シノピリカ・ゼッペロン(CL3000201)の隣に腰をかける。
 シノピリカの口の端からは伸びたイカの足が飛び出している。故郷の歌も歌いだして随分とご機嫌だ。
「シノピリカ」
「どうした? ザルク殿」
「その、この前は膝枕ありがとうというか」
「ああ、そんなこともあったの。筋肉太ももでは気持ちよくはないだろうがな」
「そんなことはない!! っていうか、いやそういうことじゃなくて」
「ははは!」
 シノピリカはバンバンとザルクの背をたたく。
「いたたた! まだ! 響く!! 痛い!」
「痛いのは生きているいい証拠じゃろ?」
「……ったく」
 かれらは先の決戦での出来事をねぎらいあう。それは生きていたからこそできること。思った以上にいろいろな話をした。ザルクはそれがなぜだかうれしかった。生きていることが、嬉しかった。
 両手につまみを持って振り回しながらアンネリーザがアーウィンの隣に座る。
 カスカの悪趣味な一人百物語で、たぶん今日彼は眠れないだろう。いちいちびくびくするのがカスカには面白くてしかたない。
「そこでですね、暗い海だというのに、はっきりと白い手がみえたわけですよ。……おまえだーーー!!!!!」
 まったくつながっていない常套句だというのにアーウィンはすでに死にそうな顔になっている。
「カスカ、いじめないの!」
「だっておもしろくないですか? この人二週目の同じ話でも同じとこでビビってましたよ」
「で、アーウィン飲んでる?」
「のんでゆ」
「この国には慣れた? 楽しい国でしょ?」
「うん」
「で、気になるこはいるのぉ?」
 アンネリーザは酔ったふりをしてアーウィンの首元に自分の手を絡めると、二回転してよけようとしたアーウィンが『星達の記録者』ウェルス ライヒトゥーム(CL3000033)の組んだ胡坐の上に収まる。
「おいおい、いじめすぎだろ?」
 ウェルスが苦笑する。
 もちろんマットに置いてあった進行上のオクトパス焼きのトレイは両手にもって持ち上げて退避はさせている。
 そのオクトパス焼きを短い串で突き刺さした『紅の傀儡師』マグノリア・ホワイト(CL3000242)は、ウェルスの膝の上に鎮座するアーウィンに向け。
「あ~んして」
 と笑みを浮かべた。
「おい、それめちゃくちゃ熱いやつだからな、マグノリアの嬢ちゃん、鬼か!」
「はふはふ ……ちゃぁあああああ!」
 それでも律義に口にしたアーウィンはその熱さに悲鳴を上げた。
「いわんこっちゃない、ほらアーウィンの旦那、水だ」
 ウェルスは熱がるアーウィンに水を渡す。
「それではチキチキ、ロシアンオクトパス焼きの時間だよ」
 マグノリアが提案した突然始まる企画に脳が酒漬けのメンバーはおーーー!と盛り上がる。やめておいたほうがいいけどそれには誰も気づかない。ちゃっかりマグノリアは犠牲者リストから除外されている。
 ロシアンオクトパス焼き。 それはたった一つだけにアマノホカリから仕入れた悪魔の緑のスパイスが入っているものを引き当てたものがただひたすら痛い目に合うだけという悪魔のゲームだ。
「せーので食べるよ……ふふ。せーの……」
 厳正なダイス判定の結果犠牲者はウェルス ライヒトゥーム氏であったことを特記しておく。
「のうアーウィン殿、元気にしておったかの? さっきから目が泳いでおるが…なんぞ、気になる事でも?」
 そりゃあ豊穣の大地が隣にいては目の毒というものだろう。たわわはこの中の女子たちのなかでも相当なほどに自己主張している。ビッグボイン。
「しらねーわ!」
「そんな事ではせっかくの祭が楽しめぬぞ、ほれほれ! 後でお主の故郷の歌でも聞かせてくれい! まずは我が故郷に伝わる古い歌を吟じてくれようかの、わははは!」
 言ってシノピリカはノスタルジーな節にあわせて郷愁歌を歌い始めた。
 優しく、しみこむような歌声が夜の海に響く。
「懐かしき我が家よ……っと♪」
 気づけば、いつのまにか寝ているものもいる。
「カスカ寝ちゃった。一升瓶抱きしめてるけど」
「ああ、じゃあ、俺が送っていくよ」
 ザルクがカスカを背負おうとするが一升瓶を放さない。しかたないなとお姫様だっこをする。
「じゃあ、そろそろお開きだな」
 将来の展望を話していたウェルスが俺の将来はまずは借金返済だなと締めて、祭りの終わりを告げる。
「また、こんなふうにみんなで飲もうな」
 ウェルスが告げたその言葉に起きているものは頷いた。

「メモリア」
『ヒルダ。まだいたの?』
「まだ、とはお言葉ね。そうだ、メモリア背中にのってもいい?」
 『白金の星』ヒルダ・アークライト(CL3000279)は昼間は存分に遊んできたせいか少しだけ疲れが見える。
『かまわないわ』
 お言葉に甘えて、とアンシメトリーの水着姿のヒルダがぴょんとメモリアの背中に飛び乗る。大きな月が普段はくくっているが今はほどいている金の髪を照らしだした。
 ごろんと寝ころべば零れそうな胸元がぽよんと揺れる。
 見上げた夜のとばりのベールにはゴールデンティアーズほどではないけれど、満天の星。
「ねえ」
『なに?』
「星座って知ってる?」
『しらない』
「まあ、私も人並み程度の知識だけど。星と星をつなぎ合わせて人はそこに神話を見出すの」
『へえ』
「くじら座ってのもあるんだけど……冬じゃないとみえないなあ」
『みえるのとみえないの、あるの?』
「そう。だからね。冬には一緒にくじら座をみましょう?」
『かまわないわ』
「いい? メモリア、あれがね――」

 まためぐる来年も
 再来年も
 空白にきえたその先も。
 こうして夜空を眺めたいと思う。

 不安はある。でも大丈夫。かけがえのない友達がいる限り、何があってもあたしは必ず戻ってくるから
 

†シナリオ結果†

成功

†詳細†

特殊成果
『思い出のスナップ』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:カスカ・セイリュウジ(CL3000019)
『思い出のスナップ』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:アンネリーザ・バーリフェルト(CL3000017)
『思い出のスナップ』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:ザルク・ミステル(CL3000067)
『思い出のスナップ』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:ウェルス ライヒトゥーム(CL3000033)
『思い出のスナップ』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:シノピリカ・ゼッペロン(CL3000201)
『思い出のスナップ』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:マグノリア・ホワイト(CL3000242)
『星砂』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:たまき 聖流(CL3000283)

†あとがき†

参加ありがとうございます。
皆さんのひと夏の想いでになっていると嬉しく思います!

アーウィンとメモリアに絡んでくださってありがとうございます。
ふたりとも大喜びしております。

MVPはもうなんだか楽しそうだったお二人と
幹事お疲れ様で賞ということで。
FL送付済